【院長コラム】空海の三密加持力による不動明王の真言と霊力

聖なる大宇宙（ほとけ）と感応する不動明王の護摩の火は、天界に人々の願い事を運ぶ、科学では証明できない、神秘的な密教の修行であります。
密教の行法は、肉体を駆使して得る、宇宙（ほとけ）との神秘的な交感であるが…
山岳修行の厳しい荒行を思い浮かぶ。それは必ずしも、本筋の行法ではありません。
霊力を得るために、肉体を、精神を、ボロボロまでおいこんだ当時の修行法でありましたが、空海の出現によって、即身成仏の行法が生まれて、密教行者と宇宙（ほとけ）との神秘的交流が説かれたのです。
しかし、密教にたどり着くには、前行として、あらゆる肉体的・精神的訓練を終えているかを導師は判断します。そして、密教の基本的な形は三密の行から入るのです。
　
一に身密＝身体的な表現
二に口密＝宇宙・ほとけとの交流の言葉と真言
三に意密＝尊王・不動明王に対する聖なる観相
　
即ち、手に仏との約束の印相を結び、口に真言をとなえて、心に不動明王・尊王を観相するのです。
身体・真言（マントラ）・心の働きが、宇宙（ほとけ）の働きになり、三密となります。
密とは全て、ほとけの世界を表し、業とは全て、人間の世界を表わします。